ARMANI シィフィオーリ

ファッション・モードを超えたアイコン・ブランドとして世界に君臨する「アルマーニ」。1975年の立ち上げから現在まで、ほとんど低迷期をむかえることなく、さらにファッション・グループに属することもなくラインを展開している、数少ないトップ・メゾンのひとつでもあります。ウェア部門の三つのラインをすべて手がけているジョルジオは、2014年で80歳をむかえております。

こちらはそんなレジェンダリィ・メゾンのフレグランス・ラインから、2013年に発売されたレディス香水です。ブランドとして非常に力を入れた一品で、その甲斐もあってヨーロッパではスーパー・ヒットを記録しました。そのヒットの要因の一つは、イメージ・モデル兼ミューズに女優のケイト・ブランシェットを起用したことにあります。ちょうど映画「ブルー・ジャスミン」で彼女がオスカーその他を総なめにした年に当たり、話題性十分でした。ネーミングの「シィ」は「イエス」という意味のイタリア語です。制作当初からケイト・ブランシェットをイメージしていたというこの作品は、モダンで清楚、そしてスタイリッシュなシプレー・ノートの香調がベース。シック＆ビューティーをうららかに謳い上げる、アーティスティックな一品に仕上げられております。

香りは三段階のピラミッドではなく、三つのカテゴリーの香りが同時に香る、ユニークなフラット・コンポジション。ブラックカラント・ネクター(ブラックカラント・エッセンス＆バニラ・アブソリュート)、シプレー(パチョリ、フリージア、ローズ)、ムスキー・ウッディー(オルカノックス)からなります。調香は、カルティエの「オー・デ・カルティエ」やディオールの「ミス・ディオール・シェリー」、ジミー・チュウの「フラッシュ」などを手がけているクリスティーヌ・ナーゲル。プロデュースはロレアルです。フレッシュなカシス(ブラックカラント)とバニラの香りが印象的で、甘さと透明感と洗練をあわせ持った、エクセレントな逸品です。知的でチャーミングで美しい女性像を感じさせ、まさにケイト・ブランシェットのイメージにぴったりともいえるでしょうか。